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映画『空に住む』

5.1 デジタル配信/8.4 ブルーレイ&DVDリリース

Introduction

自分をさらけ出すことのないまま社会や他者となんとか共存し、プライドを壊されないよう懸命に生きる現代の女性たち。仕事、人生、そして恋愛のはざまで揺れながら新たな一歩を踏み出していく女性の心の機微が、エチュードのように丁寧に綴られていく。

監督は、『EUREKA ユリイカ』でカンヌ国際映画祭批評家連盟賞受賞ほか国際的に高い評価を得る青山真治。実に7年ぶりの新作となる。
迷い傷つきながら確かな選択をして変わっていく直実を演じるのは映画、テレビ、舞台と幅広いジャンルで説得力に富んだ演技を見せる多部未華子。また今や日本映画界で高い評価を得る岸井ゆきの、美村里江、岩田剛典(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、大森南朋、鶴見辰吾ら実力派が勢揃いした。主題歌は三代目 J SOUL BROTHERSの『空に住む ~Living in your Sky~』。作詞家・小竹正人の原作小説の世界観から生まれ、ライブでも愛されてきた神曲が深い感動を呼び起こす。

Story

泣きたい時に素直に泣けないのは、どうしてなんだろう
埋まらない心の孤独を抱えた人々、それぞれの答え、
そのリアリティが心に刺さる

郊外の小さな出版社に勤める直実は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになった。長年の相棒・黒猫ハルとの暮らし、ワケアリ妊婦の後輩をはじめ気心のしれた仲間に囲まれた職場、それでも喪失感を抱え、浮遊するように生きる直実の前に現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則だった。彼との夢のような逢瀬に溺れながら、先は見えないことはわかっている。そんな日常にもやがて変化が訪れる。直実が選ぶ自分の人生とは――

Cast

  • 多部未華子 Mikako Tabe

    小早川直実

    1989年1月25日、東京都生まれ。02年に女優デビュー。05年公開の映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』でブルーリボン賞新人賞を受賞して注目を集める。09年にはNHK連続テレビ小説『つばさ』のヒロインも務めた。10年には『農業少女』で読売演劇大賞女優賞・杉村春子賞、エランドール賞新人賞などを受賞。映画、ドラマをはじめ、舞台、CMと多方面で活躍の場を広げている。近年の主な出演作に、映画『あやしい彼女』(16)、『日日是好日』(18)、『アイネクライネナハトムジーク』(19)、ドラマ『これは経費で落ちません!』(19/NHK)、『私の家政夫ナギサさん』(20/TBS)、ミュージカル「TOPHAT」(18)、舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~ 』(19)などがある。

  • 岸井ゆきの Yukino Kishii

    木下愛子

    1992年2月11日、神奈川県生まれ。09年、『小公女セイラ』(TBS)で女優デビュー。16年にNHK大河ドラマ『真田丸』で頭角を現し、17年の初主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』でヨコハマ映画祭最優秀新人賞に輝く。以後もNHK連続テレビ小説『まんぷく』(18)、第43回日本アカデミー賞新人女優賞を受賞した主演映画『愛がなんだ』(19)などの好演で若手女優として期待を集めている。舞台では劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season風』(17)の沙霧役が話題に。そのほかの出演映画に『ここは退屈迎えに来て』(18)、『前田建設ファンタジー営業部』(20)などがある。

  • 美村里江 Rie Mimura

    小早川明日子

    1984年6月15日、埼玉県生まれ。03年、CX月9ドラマ『ビギナー』の主演で「ミムラ」として女優デビュー。以来、『いま、会いにゆきます』(TBS/04)、映画『着信アリ2』(05)、『この胸いっぱいの愛を』(05)に主演するなど幅広く活躍。書評やエッセイなどの執筆活動でも評価され、複数紙で連載を持つ。そのほかの出演作はNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(12)、NHK大河ドラマ『西郷どん』(18)、映画『落語娘』(07)、『天国からのエール』(11)、『カノン』(16)、『パラレルワールド・ラブストーリー』(19)など多数。18年に現在の芸名に改名した。

  • 岩田剛典 Takanori Iwata

    時戸森則

    1989年3月6日、愛知県生まれ。EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマー。16年に初主演映画『植物図鑑運命の恋、ひろいました』がヒット、『第40回日本アカデミー賞』新人俳優賞・話題賞などを受賞。さらに18年には単独初主演映画『去年の冬、きみと別れ』、『Vision』、主演映画『パーフェクト・ワールド 君といる奇跡』という3本の出演映画が公開され、『第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞』石原裕次郎新人賞を受賞。俳優としての評価を確固たるものにした。ほかの出演作に初主演ドラマ『崖っぷちホテル!』(18/NTV)、『シャーロック』(19/CX)、映画『HiGH&LOW』シリーズ、『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-(『ファンキー』)』(18)、『AI崩壊』(20)、『新解釈・三國志』(20)、主演を務める『名も無き世界のエンドロール』(21)などがある。

  • 鶴見辰吾 Shingo Tsurumi

    小早川雅博

    1964年12月29日、東京都生まれ。12歳のとき、ドラマ『竹の子すくすく』(77~78/ANB)で俳優デビュー。『天城越え』(78/NHK)、『3年B組金八先生』(79/TBS)で注目を集め、80年に『翔んだカップル』で映画初主演。以後、映画『GONIN』(95)、『鮫肌男と桃尻女』(99)などで個性を発揮。近年の出演作に『シン・ゴジラ』(16)、『日日是好日』(18)、『前田建設ファンタジー部』(20)、『太陽は動かない』(20)、『奥様は、取り扱い注意』(20)、『Daughters』(20)、『るろうに剣心 最終章The Final 』(21)など。

  • 岩下尚史 Hisafumi Iwashita

    野村(出版社代表)

    1961年6月28日、熊本県生まれ。國學院大学卒業後、新橋演舞場(株)に入社。新橋花柳界が主宰する「東をどり」の制作に携わり、伝統芸能や花柳界の粋を学ぶ。退社後の06年に「芸者論・神々に扮することを忘れた日本人」を上梓、和辻哲郎文化賞を受賞。以来、作家として活躍、バラエティ番組のゲストやコメンテーターとしても人気者に。16年、NHK大河ドラマ『真田丸』の明智光秀役で俳優デビュー。19年には『グランメゾン東京』(TBS)に、大物議員役で出演した。

  • 髙橋 洋 Yo Takahashi

    柏木(編集長)

    1972年9月5日、大阪府生まれ。97年に蜷川幸雄率いる劇団ニナガワ・スタジオに入団、『オセロー』(07)など多くの劇団公演で活躍。08年に退団後は映像に進出し、映画『東京公園』(11)、『岸辺の旅』(15)、『無頼』(20)、ドラマ『幼獣マメシバ』シリーズ、『いだてん~東京オリンピック噺~』(19)、『これは経費で落ちません!』(19)などに出演。舞台では、青山真治演出の『私のなかの悪魔』(13)、『フェードル』(15)や、スーパー歌舞伎Ⅱ 『オグリ』(19,20)に出演している。

  • 大森南朋 Nao Omori

    吉田理(小説家)

    1972年2月19日、東京都生まれ。96年CM出演をきっかけに本格的に役者としての活動を開始。01年に『殺し屋1』で映画初主演。03年、キネマ旬報ベストテンで助演男優賞、ヨコハマ映画祭最優秀助演男優賞(『赤目四十八瀧心中未遂』『ヴァイブレータ』)受賞、10年、日本アカデミー賞優秀主演男優賞(『ハゲタカ』)受賞。主な映画出演作として『ヴァイブレータ』(03)、『アキレスと亀』(08)、『R100』(13)、『S-最後の警官-』(15)、『秘密 THE TOP SECRET』(16)、『アウトレイジ 最終章』『ビジランテ』(17)、『この道』(19)、『初恋』(20)など。

  • 永瀬正敏 Masatoshi Nagase

    ペット葬儀屋

    1966年宮崎県生まれ。『ションベン・ライダー』(83/相米慎二監督)で映画デビュー。『息子』(91/山田洋次監督)で日本アカデミー賞助演男優賞他、計の8つの映画賞を受賞。台湾映画『KANO』では、金馬映画祭で中華圏以外の俳優で初めて主演男優賞にノミネートされ、『あん』(15/河瀨直美監督)、『パターソン』(16/ジム・ジャームッシュ監督)、『光』(17/河瀨直美監督)でカンヌ国際映画祭に3年連続で公式選出された初のアジア人俳優となる。今年公開作に『ファンシー』、『二人ノ世界』、『星の子』など。2018年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

  • 柄本 明 Akira Emoto

    近藤(コンシェルジュ)

    1948年11月3日、東京都生まれ。商社勤務を経て76年に劇団東京乾電池を旗揚げ、数多くの舞台で出演、演出を務める。80年代から映画やTVにも活躍の場を広げ、今村昌平監督の『カンゾー先生』(98)で日本アカデミー賞最優秀男優賞、『悪人』(11)で同賞助演男優賞など、味わい深い名演で数々の賞を受賞。11年には紫綬褒章、19年には旭日小綬章を授与された。近年の出演作に『シン・ゴジラ』(16)、『万引き家族』(18)、『ある船頭の話』主演(19)、『居眠り磐音』(19)、『楽園』(19)、『燃えよ剣』(20)、『一度も撃ってません』(20)など。

Character

相関図

Staff

  • 青山真治 Shinji Aoyama

    監督・脚本

    1964年福岡県北九州市出身。1996年、地元・福岡県の門司を舞台にした『Helpless』で長編映画デビュー。自ら脚本・音楽も手がけた本作は低予算ながら、その乾いた人間関係や暴力描写などが高く評価され、トロント、ウィーン、トリノなど数多くの国際映画祭に出品される。その後も『チンピラ』(96)、『WiLd LIFe』(97)、『冷たい血』(97)、『シェイディー・グローヴ』(99)、『EM/エンバーミング』(99)など精力的に作品を送りだす。そして2000年の監督作品『EUREKA ユリイカ』で、第53回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に招待され、国際批評家連盟賞とエキュメニック賞をW受賞するという快挙を成し遂げる。更にベルギー王立フィルムアーカイブより「ルイス・ブニュエル黄金時代賞」を獲得し、名実ともに世界にその名を知られるようになる。 以降も、作家・中上健次を巡るドキュメンタリー『路地へ 中上健次の残したフィルム』(00)、2年連続でカンヌ国際映画祭コンペティション部門に招待された『月の砂漠』(01)、ベルリン国際映画祭に出品された『私立探偵濱マイク・名前のない森』(02)、東野圭吾原作ミステリーの映画化に挑んだ『レイクサイド マーダーケース』(04)と作品を重ねる。05年には、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』でカンヌ国際映画祭“ある視点”部門へ、翌06年の『こおろぎ』、そして07年の『サッド ヴァケイション』(07)では2年連続でヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に招待されるなど、日本が誇る世界的映画監督である。また自らの監督作品等で脚本を手がける一方、01年に初めて手がけた自作のノベライズ小説『EUREKA』で第14回三島由紀夫賞を受賞するなど小説家としても活動。05年には『ホテル・クロニクルズ』で第27回野間文芸新人賞候補にノミネートされた。2011年の『東京公園』では、小路幸也の原作を柔らかであたたかな視線で映像化し、新境地をみせている。この作品で、第64回ロカルノ国際映画祭にて、金豹賞(グランプリ)審査員特別賞を受賞。また、同年、舞台初演出となる作品「グレンギャリー・グレン・ロス」(出演:石丸幹二、坂東三津五郎 他)が、銀河劇場を皮切りに公演となった。続いて、「おやすみ、母さん」(出演:白石加代子・中嶋朋子)を池袋あうるすぽっとで、公演。その後も、数々の舞台演出に挑戦している。2013年には『共喰い』で、第66回ロカルノ国際映画祭にて、ボッカリーノ賞最優秀監督賞を受賞、第68回毎日映画コンクールで脚本賞と撮影賞も受賞。2015年には、WOWOW連続ドラマ「贖罪の奏鳴曲」にて、久しぶりの連続ドラマに挑戦し、好評を得る。2018年には、大学の教職を辞して、再び映画業界に戻ってきた。最新作は、NHKBSプレミアムドラマ「金魚姫」(2020年3月放送)。

  • 小竹正人 :原作

    3月10日、新潟県生まれ。作詞家・小説家。EXILE・三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE・GENERATIONS from EXILE TRIBE・THE RAMPAGE from EXILE TRIBE・FANTASTICS from EXILE TRIBE・E-girls・Flower・小泉今日子・久保田利伸・藤井フミヤ・中山美穂・中島美嘉・リュ・シウォン・May J.・斎藤工などメジャーアーティストを中心に、作詞提供は多数に及ぶ。また、作詞曲『花火』(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)がレコチョク『2012年最も泣けた曲ランキング』で1位を獲得、『Unfair World』(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)が第57回日本レコード大賞を受賞している。13年に自身初の小説「空に住む」、14年「三角のオーロラ」(共に講談社)、17年には歌詞&エッセイ集「あの日、あの曲、あの人は」(幻冬舎)を刊行し、大きな話題を呼んだ。17年から自身の詩の世界観を映像(ショートフィルム) 化した『CINEMA FIGHTERS project』ではコンセプトプロデューサーを努めている。

  • 池田千尋 :脚本

    1980年、北海道生まれ、静岡県出身。高校在学時から自主映画制作をスタート。早稲田大学第一文学部卒業。映画美学校修了制作作品である『人コロシの穴』(02)が2003年カンヌ国際映画祭・シネフォンダシオン部門に正式出品される。助監督として幾つかの現場を経た後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域を2007年修了。主な劇場公開作品に『東南角部屋二階の女』(08)、『先輩と彼女』(15)、『東京の日』(15)など。最新作は、上白石萌音・山崎紘菜W主演の『スタートアップガールズ』(19)。ほかに監督として、連続ドラマ作品にNOTTV『サクラ咲く』(16)、NHKBSプレミアムドラマ『プリンセスメゾン』(16)、フジテレビ『ラブラブエイリアン2』、テレビ東京×Netflix『Re:Mind』スピンオフ特別版(17)、テレビ大阪『まどろみバーメイド~屋台バーで最高の一杯を。~』(19)。2020年春に、東海テレビ特別ドラマ『B面女子』(森川葵主演)放送。脚本家として、共同脚本を務めた映画『クリーピー~偽りの隣人』(黒沢清監督) (16) 、映画『Red』(三島有紀子監督) (20)がある。そのほか、出身地である静岡県袋井市にて、2012年から現在まで小学生から高校生を対象とした映画作りワークショップ『映画をつくろう』を毎年開催している。

  • 井上鉄大 :プロデューサー

    齋藤寛朗 :プロデューサー

    長嶌寛幸 :音楽

    菊池信之 :音響

    中島美緒 :撮影

    松本憲人 :照明

    清水剛 :美術

    石田満美 :装飾

    田巻源太 :編集・グレーディング

Music & Books

作詞家・小竹正人が初めて手掛けた小説
「空に住む」(2013年刊・講談社)。
原作と共に誕生した楽曲「空に住む ~Living in your sky~」を
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEが担当し、
CD付き小説という出版界初のプロジェクトとして発売された。
この度9月15日講談社より文庫化が決定。

Music

主題歌「空に住む ~Living in your sky~」

Original novel

文庫版「空に住む」

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE

2010年結成。EXILEの想い・信念を受け継ぐダンス&ヴォーカルグループ。パフォーマーはリーダーを務めるEXILE NAOTO・小林直己、そしてELLY・山下健二郎・岩田剛典の5名。ヴォーカルは今市隆二・登坂広臣。2019年に開催された三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2019 “RAISE THE FLAG”では125万人を動員し、1ツアーにおけるグループ史上最多動員数を記録。2020年3月18日には、ニューアルバム『RAISE THE FLAG』をリリース。2020年4月8日リリースの最新シングル「Movin' on」は、「進み続ける、前に行く、動き続ける」という思いのもと、今まで進み続けてきた三代目 J SOUL BROTHERSを表しつつ、爽快な歌声と疾走感のあるドラムベースビートが印象的なタイトル・トラック。
今年、2020年11月10日にデビュー10周年を迎える彼らの勢いは、今もなお衰えることなく日本の音楽シーンの先を駆ける存在であり続けている。

青山真治監督による「空に住む」制作ノート

『空に住む』へのノート

何年振りかの撮影、企画とともに原作を渡されて考えたことは、何をテーマにしようか、ということでした。いつもなら企画とともにテーマは自分で決めています。今回はこうしよう、という何かは自分で決めるしかないことです。何かとは、言ってみれば映画のエッセンスのようなものです。それだけは他の誰かではなく監督である自分が決める責任がある、と、この仕事を始めて以来、守って来たことです。

本作のためにそれを見つけるのにかなりの時間がかかりました。当然、長い間作品を作っていないという事情もありました。それから原作小説をお書きになった作詞家・小竹正人氏は、都市生活の困難さと暗い部分を非常に克明に描かれたのですが、私にはそれらだけでいいのかどうか、正直自信を持てないでおりました。それは自分の性格の問題だとしか言えない部分でもあります。

そんなある日、若くて優秀な女性会社員の自殺が報道されました。その報道に私は衝撃を受けましたが、その事件そのものより自分の生きている社会がそれにさして動揺していないことに感じる衝撃でした。そのとき、いま描くべきはこの現代日本社会に生きる女性たち(そして猫)の物語だと決めることができたのです。

思えばかなり以前からそれを繰り返している気がしますが・・・
今回違いがあるとしたら、こちらから、あなた方はどう考えるのか、と
つまり男の側からも問いかけているようなところでしょうか。

完成までこれまでで最も長い時間がかかりましたが、これを作ることでようやく私も一人の映画作家になれたのかもしれない、という気がしています。

青山真治

「空に住む」オピニオンコメント

※敬称略、順不同

◆蓮實重彦(映画評論家)
高さと低さに引き裂かれる多部未華子の艶やかに屈折した存在感。その美しさに殉じようとする青山真治は、初めて自分を捨て、映画に全幅の信頼を寄せることで、まぎれもない傑作を撮って見せた。

◆小泉今日子(女優・プロデューサー)
東京の高層マンション、窓から見えるビルボードのスターとの恋。
たった一人の女性の身に起きたファンタジーはきちんと現実の中にある。
原作、脚本、美術、そして監督のセンスに拍手。

◆榮倉奈々(女優)
覗き見したような、だけどあの時を思い出したような。
雲みたいに届きそうで届かない、触れそうで触れられない。
他人の気持ちってそーゆうものなのかな、って思ったりして。
青山監督の優しさにまた会えてとても嬉しかった。

◆石川直樹(写真家)
街ですれ違う人々は、みんな固有の生を生きている。そこに善悪なんてない。
そのことを丁寧に描きつつ、観ている自分をも肯定されている気がして、
最後は涙が抑えられなかった。

◆YOU(タレント)
マンガのページをめくるようなスピードがとても心地よい。
直実の心が 出会いと別れを呑み込みながら 嫋やかに育ってゆく。
浮遊していた その視線は ゆっくりと定まって 最後に微笑むんだ。
明日も 生きたいと思った。

◆南 ゆかり(『Oggi』エディター)
喪失感や孤独感を乗り越えるのは、自分。先に進むのも自分。痛みを伴うけれど、それが成長するということなのだと、この映画は教えてくれます。

◆川端里恵(WEBマガジン「ミモレ」編集次長)
泣きたい時に泣けない人ほど、動揺や秘密を抱えているのかもしれない。大丈夫そんなもんだとゆっくり染みてくる映画です。

◆立川志らく(落語家)
誰もが憧れる都会のタワーマンション。そこで暮らすことは空で暮らす事。しかしそこは最も孤独な空間でもあり全ては夢の出来事。まるで印象派の絵画の様な映画である。

◆華恵(エッセイスト)
猫を奥にやって、どうしてまた彼を招いたの。
本当にそれ、必要だったの?
バカ、と呟きながら、少し恥ずかしくなった。
もしかしたら、自分も同じことをするかも。

◆山根貞男(映画評論家)
不思議な映画だ。物語は隅々まで明快だから大いに楽しめるが、何の映画なのかと思うと、さっぱり分からない。ヒロイン多部未華子は迷宮をさまようみたいで、それが空に住むということか。

◆大嶺洋子(リトルモア・編集者)
いちばん大切な存在を看取る彼女の時間が胸に迫りました。死にゆく小さなものを尊ぶ彼女は、何があってもあなたの味方だよとまっすぐに言える強さをもった素晴らしい編集者。リスペクト。

◆荒井晴彦(脚本家・映画監督)
タワマンで猫と暮らしている女がスター俳優と出逢う『空に住む』は、マンハッタンのアパートメントでオードリー・ヘプバーンが小説家と出逢う『ティファニーで朝食を』の青山真治版だと思った。だから「ムーンリバー」が欲しい、と思った。

◆上野昻志(映画評論家)
ワンシーンごとに、開けていく世界。彼女は何者なのか? 何をし、何を考えているのか? 一人の女性を見つめつつ、青山真治は問いかける。いまを生きるとは、どういうことか?、と。

◆中原昌也(ミュージシャン・小説家)
何もない高所に佇む多部未華子を抱きしめる。その美しく力強い存在感だけで、涙が溢れて止まらない。

◆樋口泰人(爆音映画祭プロデューサー)
世界を変える演奏の始まりのほんの一瞬前、その事件を予告するようにすっと上げられた踵の不安と危うさと後戻りのできない決意の作り出す軽やかなビートがわれわれの腰を揺らす。そんなエルヴィスのつま先立ちのロックンロールにも似た「勇気」に溢れた映画だった。これ1回であと10年は生きられます。

◆廣瀬純(批評家、龍谷大学教授)
三代目J SOUL BROTHERSのバラードがこの上なく感動的に劇場に鳴り響く。
「今日の空は晴れてますか」の問いに、全ての登場人物、全てのショットが静かに全力で応えるのだ。

新聞・雑誌掲載情報

2020.10.23 UPDATE

発売日 雑誌名 内容
10月末 nobody 青山真治監督インタビュー
10月末 映画芸術 青山真治監督,荒井晴彦さん対談
10月25日 Poco'ce 表紙・多部未華子さんインタビュー
10月23日 GINGER 多部未華子さんインタビュー
10月23日 シティリビング 多部未華子さんインタビュー
10月23日 朝日新聞 映画評
10月23日 読売新聞 映画評
10月23日 毎日新聞 映画評
10月23日 日経新聞 映画評
10月21日 an an 多部未華子さんインタビュー
10月20日 キネマ旬報 特集 青山真治監督、多部未華子さんインタビュー
10月19日 BARFOUT! 多部未華子さんインタビュー
10月19日 日経新聞 青山真治監督インタビュー
10月16日 読売新聞 青山真治監督インタビュー
10月16日 産経新聞 映画評

TV・ラジオオンエア情報

2020.10.26 UPDATE

放送日 放送時間 放送局 番組名 内容
10月30日 19:56 NTV 沸騰ワード10 多部未華子さんゲスト出演!
10月25日 9:00 J-WAVE ACROSS THE SKY 青山真治監督インタビュー
10月25日 5:30 日本映画専門チャンネル 男おばさん!! 作品紹介
10月24日 10:30 フジテレビTWO 男おばさん!! 作品紹介
10月23日 12:30 スターチャンネル 映画をもっと。 多部未華子さん×青山真治監督インタビュー
10/23~11/4の間でリピート放送多数有り
10月20日 20:00 ミュージック・エア シネマタイム 多部未華子さん&岸井ゆきのさん&美村里江さんインタビュー
10月19日 9:00 ラジオ日本 SWEET!! 「ウィクリーシネマ」コーナーにて作品紹介

WEB掲載情報

2020.11.18 UPDATE

媒体名 内容
デイリー新潮 多部未華子主演 映画「空に住む」原作・小竹正人が伝えたかった「喪失感」
JIJI.COM 「映画作りに飢えていた」 「空に住む」で青山真治監督が7年ぶり新作
女子SPA! 美村里江、改名から2年「私自身はとても馴染みました(笑)」
GINZA 多部未華子、身一つで挑む勇気。役がつかめなくても「まずは自分なりにやってみます」
ほんのひきだし 『空に住む』青山真治監督インタビュー:「現代に生きること」を描くために“困難や波乱”を排除した、わかりにくくてわかりやすい物語
25ans 多部未華子さんの“素顔”が見える「25問25答」お仕事から、謎めくプライベートまでインタビュー!
ウェブザテレビジョン 多部未華子、“理想の家”を告白「お城に住んでみたいです!都心にあるお城(笑)」<「空に住む」座談会>
&W 美村里江さん「幸も不幸も決めるのは自分自身。あの時、嘘をつかなくてよかった」
スターダスト 美村里江 主人公にとって厄介な存在を演じるのは楽しい - 映画「空に住む」インタビュー
Sippo 多部未華子の喪失感をネコが代弁 映画『空に住む』に感じる再生への一歩
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Yahoo!個人 樋口尚文の千夜千本 第159夜「空に住む」(青山真治監督)
トーキョー女子映画部 レビュー「空に住む」
ウートピ 多部未華子さんインタビュー
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Oggi.jp 女優・多部未華子さん、主演映画『空に住む』で得た気持ちの変化|公開記念インタビューVol.3
Oggi.jp 30代を迎えた女優・多部未華子さんの仕事術|映画『空に住む』公開記念インタビューVol.2
Oggi.jp 女優・多部未華子さんが心の拠り所にする人とは? 映画『空に住む』公開記念インタビューVol.1